皆様ご存知でしたしょうか?6月3日は世界自転車デーでした。そして今、世界では自転車での移動が再び脚光を浴びています。

現在、世界の多くの地域において移動手段の主役は車での移動です。これはとても快適な反面、他の移動手段と比較して環境負荷が大きいとされています。特にガソリン車の場合、燃焼したガソリンがそのまま二酸化炭素(CO2)になるために、気候変動への影響が無視できません。下記は世界のCO2排出の内訳ですが、赤色で示した通り、人々の移動によって14%のCO2が排出されています(出典EPA)。ここには他の移動手段も含まれていますが、その7割以上は車での移動からくるものと言われています。

一方、皆様ご想像のとおり自転車での移動は、私たちのカロリーを消費するのがメインで、これによりCO2の排出を抑えることができます。もう少し正確に環境負荷を考えた場合、自転車が製造され、皆様の手に渡り、廃棄されるまでの一連のサイクルの中でどの程度CO2が排出されるかを他の移動手段と比べる必要があります。こうした試算も実際に行われており、例えばヨーロッパ自転車協会の調べでは、1kmあたり車での移動が271gのCO2を排出するのに対して、自転車での移動は21gと十分の一以上排出量を抑えられることが示されています。
ただし、現在は新しいタイプの車が製造されつつあり、例えば太陽電池と電気自動車の組み合わせでは、その環境負荷はガソリン車と比較して少ないものとなります。このあたりは別の記事で取り上げたいと思います。
こうした背景を踏まえ、世界では、今まで車に使われていた道を、自転車と歩行者向けに切り替える挑戦的な試みが見られつつあります。例えばアメリカのカルフォルニアの事例では実に92km程の道で車の侵入を禁止し、歩行者と自転車のみが通れるようにしています。同じくアメリカのミルキーウェイでも、同様にして15km程の道が歩行者と自転車のみとされました。この動きは、ミルキーウェイ、ボストン、ミネソポリス等他の都市でも見られつつあります。
日本でも、サステナブルな都市を目指すにあたって、自転車や歩行者がより移動しやすいインフラの整備がますます重要になってくるかもしれません。その際には、包括的な法整備や人々のニーズ調査も必要になってくるでしょう。
自動車産業は、私たちに距離と時間を与えてくれました。その恩恵をよりサステナブルなものにするために、今後は最適な移動手段が自由に選択できる都市の設計が求められることでしょう。最後に、最もサステナブルな都市の一つと言われているコペンハーゲンの紹介動画を紹介いたします。ここではそのほとんどの人が自転車を移動手段として使ってるそうです。
参照サイト
https://www.ehn.org/environmental-benefits-of-bicycling-2646141696.html?rebelltitem=6#rebelltitem6